①DJとは何か?
今回はDJについて解説していきます。
少しだけ自分の紹介なのですが、僕は趣味の範囲ではありますが10年以上DJを続けています。
今まで海外のクラで専属DJとして活動したり、都内の有名クラブでプレイさせてもらったり、色々な経験をしてきました。
でも始めた当初はDJについて何もわからなくて苦労しました。
今みたいにネットで色々な情報を収集したりすることは難しかったですし、DJスクールなんて当時はありませんでした。
もし今僕が当時みたいな状況だったら、こんな情報があったら便利じゃないかなと思うことをまとめました。
この記事を読むとDJとは一体何なのか、DJは何をしているのか、DJにはどんな種類があるのかなどを知ることができます。
具体的にはこんな方におすすめです。
- DJについて知りたい
- DJを始めたいけどやり方がわからない
- 必要な機材がわからない
- 機材の選び方がわからない
DJをざっくり言うと
DJとはディスクジョッキー(disc jockey)の略称で、「disc」はレコードやCDのこと、「jockey」には機械を操作する人という意味があります。
DJと聞いてイメージするのはクラブDJとラジオDJが多いのではないかと思います。
クラブDJ:クラブでDJ機材を使って選曲した音楽を流す人のこと
ラジオDJ:ラジオ番組でトークをしながら曲も紹介する役割のこと
この2つに共通しているのは「選曲者」であることで、その場の雰囲気に合った音楽や最新の曲などを流してお客さんを楽しませたり、空間の演出をしたりすることが仕事です。
ちなみにクラブDJのはじまりの舞台は、お客さんを楽しませるために生演奏のかわりにレコードをかけ始めたディスコティーク(のちのディスコ)だと言われています。
そして、1曲ごとにダンスが途切れずノンストップで音楽を流し続けられるよう、機材や技術が進化して現在の形に至りました。
以下はおまけで紹介ですが、他にも色々なタイプのDJがいます
フェスDJ:大型フェスでプレイするDJ。プロデューサーとして自分の曲のみでDJするタイプが多い
バックDJ:ラップグループやバンドのDJ担当、シンガーなどのライブパフォーマンスをサポートするDJ
ターンテーブリスト / バトルDJ:DJバトルと呼ばれる競技でスクラッチなどの技を披露して競うDJ
レゲエDJ:レゲエ専門のDJで、MCや歌も披露する。セレクターと呼ばれたりDeejayと表記したりもする
タレントDJ / セレブDJ:本来はモデルや芸能人として活動する人
ベッドルームDJ / 自宅DJ:自分の家でDJを楽しむ人
アニソンDJ:アニソンを専門とするDJ
モバイルDJ:スマホやタブレット端末を使用してDJする人
②DJは何をしているのか?
大きく分けると以下の4ステップを繰り返しています
- 2台あるプレーヤーの1つで曲を流す
- もう1つのプレーヤーで次の曲を準備する
- 曲をミックスする
- 曲を完全に切り替える
もう少し詳しく、よくある疑問について解説してみます。
あの機械は何なのか?
DJはなんだか見慣れない難しそうな機械を巧みに操作してますよね。
あれは何なんでしょうか。
DJに必要な機材は基本的に3つあります。
左右にプレーヤーが1台ずつと、真ん中にミキサーが1台です。
プレーヤーは音源を再生するための機材です。
ミキサーは曲をミックスするための機材です。
例えば、左でAという曲、右でBという曲を準備します。
Aの音量を真ん中のミキサーでONにしてBの音量をOFFにすれば、フロアにはAの曲が流れている状態です。
Aが終わりそうな頃にBをだんだんONにしていって、最終的にBに切り替えればDJミックス完了という流れです。
レコードをこすっているのは何?
レコードをキュッキュとこすっているアレ。
何してるんでしょうね。
あれは「スクラッチ」といいます。
HIP HOPのDJがよくやるパフォーマンスで、レコードを前後にこすって音を出すテクニックです。
音を出すことは誰でもできますが、ミキサーのフェーダーと呼ばれるツマミ部分も同時に操作して、音楽に合わせる技術が必要となります。
DJはヘッドホンで何を聴いてるの?
DJたちはヘッドホンを片耳にあてて何をしてるのか。これも疑問ですよね。
あれは、前述したDJが繰り返している4ステップの2番目の「次に流す曲を準備」を行っているときなのです。
具体的には、曲の始まりの位置を設定したり、今かかっている曲とテンポを合わせたりしています。
ヘッドホンをあてている片耳では次の曲を聞き、あててないもう一方では今かかっている曲を聞いて2曲をミックスする準備をしていることが多いです。
DJは何が楽しいの?
自分の選曲やミックスでお客さんが盛り上がってくれることがやっっぱり一番楽しいことだと思います。
DJといえばブースに立っている華やかな姿がよくイメージされますが、そこに至るまでには、実は地道な努力の繰り返しです。
1時間でプレイするのは20曲くらいですが、それを選ぶためには何百何千という曲を聴く必要があります。
その20曲のミックスを考えるために1曲1曲を何度も何度も繰り返し聴きます。
苦労して練習しても、全然お客さんがいない現場の時もあるし、失敗して全然盛り上がらないこともあります。
でも、必ずうまくハマって盛り上がるときが来ます。
そのときに得られる快感がDJにとっての楽しみで、最高の瞬間だと思います。
③DJの種類と必要な機材とは?
DJは使用する機材によって3つの種類があります。
必要な機材も紹介しながら解説していきます。
アナログDJ
レコードの音源と、ターンテーブルというレコードプレーヤーを用いてDJをするスタイルです。
DJの起源となった形で最も歴史があります。
◇アナログDJに必要な機材
- レコード
- ターンテーブル2台
- ミキサー1台
- スピーカー
◇アナログDJのメリット
レコードには特有の音質があり、音楽好きな人には「それが好き」という人
が多いです。
また、機材がアナログなためそれを扱うには高い技術やセンスが求められます。
様々なスキルを持ち合わせた人でなければアナログDJはこなせません。
なのでアナログDJをこなせる人はDJたちの中でも一目置かれる存在なのです。
アナログDJには色々苦労が多いことも一目置かれる理由です。
次にあげるデメリットをみればわかると思います。
◇アナログDJのデメリット
デジタル音源に比べて1曲あたりの価格が高価です。
レコード1枚買うとしたら中古でも最低500円くらいはかかってしまいます。
その他、以下のようなことも挙げられます
- 針を下ろして音を再生するため振動に弱く音飛びが起こりやすい
- 針が消耗品で価格は決して安くない(※安いものでも3000円程度)
- 欲しい曲のレコード版が販売されていないことがある
また、レコードの持ち運びが大変だと思います。
物理的な重さもありますし、選曲も持ち運べるレコードの数に限られてしまいます。
CDJ
CDJはアナログDJよりも、よりデジタルに進化したDJスタイルで、CDJという機材を使用します。
クラブに常設されている率ではCDJが最も高く、一般的にはPioneerというブランドのCDJであることが多いです。
CDJは、当初はその名の通りCDを用いてターンテーブルのようにDJをするための機材でしたが、最近では音源を取り込んだUSBをセットして音楽を再生することが主流です。
◇CDJに必要な機材
- 音源を取り込んだUSB、またはCD
- CDJ2台
- ミキサー1台
- スピーカー
◇CDJのメリット
機材の進化が目覚ましいです。
例えば楽曲の情報はディスプレイで視覚的に表示されますし、自動的に2曲の速さを調整するピッチコントロール機能など便利な機能が満載です。
アナログDJのプレイには高度な技術が必要でしたが、CDJでは便利な機能が豊富なので初心者でも操作がしやすい仕様となっています。
さらに、CDJには次々と新しい機能が追加されて進化を続けているため、最新機能を使いこなせばアナログDJには不可能だったハイレベルなプレイも実現可能です。
そして、曲の持ち運びがUSB1本で済むのでとにかくラクチンです。
◇CDJのデメリット
機材が高価なことです。
CDJを2台とミキサーを1台揃えるとなれば最低でも30万円以上は必要となります。
また、それなりに重さがあるためポータブル性は低く、頻繁にどこかに持ち運んで使用するというのは向いていません。
さらにデリケートで故障もしやすいという点も挙げられます。
PCDJ
PC内の音源を用いてDJをするスタイルです。
大きく分けると2種類あり、PCDJ用のインターフェースと呼ぶ機材を通してCDJやターンテーブルから楽曲を再生タイプと、インターフェース搭載でミキサー一体型のコントローラーを使用してDJするタイプがあります。
◇PCDJに必要な機材
PCDJ用インターフェースの場合
- PC(一般的にはノートPC)
- PCDJ用インターフェース
- ターンテーブル2台、またはCDJ2台
- ミキサー
- スピーカー
ミキサー一体型コントローラーの場合
- PC(一般的にはノートPC)
- コントローラー1台
- スピーカー
◇PCDJのメリット
機材の選択肢が多いことです。
コントローラーであれば2万円台から30万円くらいまで幅広い種類があり、予算に合わせた選択が可能です。
また、ポータブル性に優れたモデルや、クラブに置かれているような本格機能を搭載したモデルなど、目的に合わせチョイスも可能です。
◇PCDJのデメリット
お求めやすい価格な分、機能はCDJに比べると限られています。
クラブと全く同じDJ環境をコントローラーなどで再現することは難しいです。
また、よく耳にするPCDJのトラブルとしては、例えば家ではPCDJで練習して、クラブでプレイしたら機能や操作方法が異なって混乱したということがあります。
DJ初心者におすすめの機材
さて、それぞれ色々なメリットとデメリットがありますね。
もしこれからDJを始めたいという方がいらっしゃっいましたら、個人的にはDJコントローラーを使用したPCDJをおすすめします。
理由は、様々な種類のコントローラーが発売されていて、自分の予算や目的に合わせた選択が可能だからです。
まずは気軽に自宅でDJを初めたい方は3~5万円くらいのお求めやすいコントローラーがいいと思います。
奮発して本格的にDJを練習したい方は10万円くらいのCDJに近いモデルがおすすめです。
「でもクラブDJを目指すならクラブと同じCDJを買って練習が必要なのでは?」と思う方がいるかもしれません。
しかし、高価なのでなかなか手を出せませんよね。
そこで、そんな悩みを解決する3つの方法を紹介します。
■スタジオに行く
1つ目は、CDJがある音楽スタジオに行って練習する方法です。
バンドが練習をしているようなスタジオに、最近ではDJ機材も置かれていることが多いです。
料金は1時間数千円程度でそこまで高くはないので気軽に行くことができます。
これから機材を購入しようと考えている方にも、実際に触ってみてどんなものなのかお試しすることができるのでおすすめです。
■DJスクールに入学する
2つ目は、DJスクールに入学することです。
僕がDJを始めた10年前くらいはそういうものはほとんどなかったのですが、数年前から増え始めています。
最近では、大きな都市であれば1~2校くらいはたいていあるようなので、まずは体験入学などをしてみることをおすすめします。
スクールではクラブに設置されている機材を使用しながら指導を受けることができます。
また、生徒であれば授業の他に、個人練習にもその機材を使用させてくれることが多いようです。
■練習会やサークルに参加する
地方の小さな都市に住んでてスタジオやスクールがないという方もいるかもしれません。
そんな方には、DJ練習会やサークルを探してみることをおすすめします。
TwitterやFacebookなどのSNSで、自分の住んでいる地域の「DJ練習会」や「DJサークル」などを探してみてください。
クラブ音楽が好きな人や、DJ機材が置かれているバーなどの人が開催していることがあります。
同じ興味を持った人が集まっているはずなので、交流を深めたり情報交換の場としても役立つと思います。
④DJの音楽ジャンルは何がある?
ハウスミュージック
ドン・ドン・ドン・ドンと一定の低音リズムが特徴の音楽です。
オシャレな雑貨店やアパレル店で流れていることが多いです。
世間一般的に最もクラブミュージックとしてのイメージが強い音楽かと思います。
DJは曲と曲のBPM(音楽のテンポを表す数値)のマッチングが重要なポイントのひとつなのですが、ハウスミュージックはある程度一定の125前後ため、初心者にもDJミックスがしやすいジャンルです。
世界的にも常に人気のジャンルとしてクラブシーンに根付いた音楽です。
最近の有名どころのアーティストを挙げるとすれば下記など↓
- Peggy Gou
- Sigala
- Oliver Heldens
»参考:オシャレでメロディアス!ピアノ系ハウスミュージックのおすすめ楽曲紹介!
ベースミュージック
太いベースサウンドを強調した音楽ジャンルの総称です。
具体的にはダブステップ、ドラムンベース、トラップなどがベースミュージックの中でも人気です。
最近の大型ダンスミュージックフェスではEDMに迫る勢いでベースミュージック系アーティストがラインナップされてきており、大きな盛り上がりをみせているジャンルです。
有名どころのアーティストを挙げるとすれば下記など↓
- Skrillex(ダブステップ)
- Yellow Claw(トラップ、ダブステップ)
- Pendulum(ドラムンベース)
»参考1:ダブステップってどんな音楽?ジャンルの解説やおすすめアーティスト紹介!
»参考2:ドラムンベースって?ジャンルの解説とおすすめ楽曲紹介!
ポップス
洋楽のヒットチャートにランクインするような人気曲を指します。
具体的にはアメリカの音楽チャート「ビルボード」にランクインしてる曲をイメージしていただければと思います。
歌が入ったポップな楽曲が中心です。
このジャンルのような人気曲でDJをすれば自分もお客さんも知ってる曲が多いので、みんなで盛り上がれてとても楽しいジャンルだと思います。
ただし、色々な種類の楽曲があるので曲調を考えながら選曲したり、幅広い曲の知識も必要となります。
»参考:The Hot 100 Chart | Billboard
⑤DJ関連のおすすめYouTubeは?
DJ HACKs
BABY-Tさんを中心とする現役プロDJが、DJのテクニックや心得などをわかりやすく解説してくれるチャンネル。
特に、DJが普段どのようなことを考えながら活動しているかや、実際に活躍しているDJはどんな努力をしているかなど、ネットの検索だけではたどり着くことが難しい有益な情報が満載です。
UMF TV
世界的なダンスミュージックフェスティバル「Ultra Music Festival」の公式チャンネル。
DJにとって最高峰のイベントはどんなものなのか、DJに興味があるのであれば必ずチェックが必要なコンテンツです。
世界有数のDJたちがどんな機材を使ってどんなプレイをしているのか、是非参考にしてみてください。
Pioneer DJ
世界中のクラブで使用されているCDJや、コントローラーのブランドであるPioneer DJの公式チャンネル。
気になる機材があれば紹介動画がアップされているので検索すれば出てくると思います。
まとめ
さて、DJについて解説してきました。
「とにかく行動しよう!」
もしこの記事を読んでDJを初めてみようと思ったり、DJを始めたけど次の一歩がなかなか進まないなどと悩んでいる方がいたらそんな言葉を贈りたいです。
機材は買わなくてもいいのでまずはスタジオやDJ勉強会に行ってみましょう!
最初から高い機材はいりません。DJ機材のネットショップ「OTAIRECORD」さんならUber Eatsを5日もやればDJデビューができますよ!
»参考: ビックリ!3万円でDJデビュー!? -OTAIRECORD-
この記事が何かのきっかけになってくれれば幸いです。
初心者におすすめの3万円以下で変える機材の紹介記事を書いているのでぜひ参考にしてみてください↓